体臭というとワキガや加齢臭など「ツンと鼻につく」ニオイが真っ先に思い浮かびますが、実は体臭の中には「甘い」ニオイもあります。

刺激の強いタイプのニオイではないので見過ごされがちですが、「体臭が甘い」というのは体調不良や怖い病気のサインである可能性が大！手遅れにならない為にも、甘い体臭の原因と注意すべき事を考えてみましょう。

体臭が何だか甘い！？その原因と注意するべき６のこと

体臭が甘い原因①「糖尿病」になっているかも！

体臭が甘い、となったら真っ先に病気の有無を確かめるべきなのが「糖尿病」です。人間は糖質を体内でブドウ糖（グルコース）に変えることでエネルギーにしています（血液中のブドウ糖を「血糖」といいます）。健康な人は「インスリン」というホルモンのおかげで一定のバランスを保っていますが、この血糖値のコントロールが出来なくなるのが糖尿病という病気です。

糖尿病には、インスリンが何らかの原因で作れなくなる「１型糖尿病」、生活習慣の悪化が原因の「２型糖尿病」、妊娠中に発症する「妊娠糖尿病」、そのほか遺伝子の異常など、色々な原因があります。

▼尿から甘いニオイがしませんか？

糖尿病になると血糖のコントロールが出来なくなるせいで、体全体から甘い体臭がします。そしてその甘いニオイは、なんと尿からもするんですよ。

自分の体臭はなかなか気が付けませんが、尿のニオイは自分でも気付きやすいです。ただ単に甘いニオイのこともあれば、「甘酸っぱいニオイ」、「りんごが腐ったようなニオイ」の場合もあります。どちらにせよ、「ニオイが濃い」と感じるでしょう。

▼尿の量が急に多くなっていませんか？

糖尿病だと多尿(尿が多い状態)になります。糖が尿として体外に出る時に、水分も一緒に連れ出してしまうせいです。

多尿になる
→必要な水分が排出されてしまう
→脱水状態
→のどが渇く
→異様に水分を欲する
→多尿になる

このように水分の悪循環がおきてしまい、何度もトイレにいく「頻尿」にもなります。「異様にトイレに行きたい」「どれだけ飲んでも喉が渇く」という症状は糖尿病以外にも何かしらの病気のサインの場合が高いので、こんな症状が続くようなら要注意です。

▼尿が泡立ちませんか？

問題のない尿でも、ずっと我慢を続けてやっと出せばかなりの勢いがあるので泡立つことがあります。が、時間がたてば泡は消えます。しかし糖尿病の尿は余分な成分が排出させているため、なかなか泡が消えません。これも見分けるポイントとなります。

▼体重が急に減っていませんか？

「自分の体から甘いニオイが出ていて、体重も減ってきた。これって女子力アップ？」なんて喜んではいけません！糖尿病になると必要なはずの糖が排出されてしまうので、それを補おうとタンパク質や脂肪をエネルギーに変えます。そのため体重が減るのです。糖尿病の典型的な症状です。

▼「甘い体臭」＋「尿の異常」「体重減少」は糖尿病の可能性アリ

体臭が甘くて、なおかつ多尿・頻尿・ニオイがきついなど尿の異常がある場合は糖尿病の可能性が高いです。体重減少も注意して見てください。

体臭が甘い原因②ダイエットのやりすぎ！

過度のダイエットは血液中のブドウ糖の濃度を低くします。そのため、体は糖の代わりに皮下脂肪から出る脂肪酸を代用品にしようと試みるのですが、これがなかなかうまくいかず肝臓で「ケトン体」と変化してしまいます。このケトン体が血液や汗などに溶けて体外に排出した時に強いニオイを発生させます。これが甘い体臭の正体です

▼そのダイエット、間違っていませんか？

ダイエットのやりすぎで体臭が強くなっているなら、それは「このダイエットは良くないよ」という体からのメッセージです。無理なダイエットをしていないか、いま一度見直してみましょう。

体臭の原因となるケトン体を燃焼して体臭を抑え、なおかつダイエットに効果的な運動は有酸素運動です。ウォーキングや水泳などがオススメですよ。

体臭が甘い原因③ストレスによる「肝機能低下」

強いストレスは体の機能にまで影響します。体臭に影響がある臓器の１つが肝臓です。肝臓は体内の有害な毒素を無害にしてくれる大事な臓器です。ここでニオイを分解して消してくれていますが、強いストレスで肝機能が低下すると分解作用が低下してニオイの元がそのまま体内に戻されてしまいます。そのニオイが毛穴から「体臭」として漂ってしまうのです。