この残尿感、実際膀胱に尿が残っていることはまれです。あくまでも「残っている気がする」だけなのです。ひどい場合は出した直後からまだ出る気がしてしまって便座から立ち上がれないなんてことも。
残尿感を感じる原因は色々ありますが、男女共通のものもあれば男性だけ・女性だけの原因もあります。今回は女性に絞って残尿感の原因と対処法を考えていきます。
女性特有の残尿感の3つの原因とその対処法
女性が残尿感を感じる1番の原因は膀胱炎
残尿感を感じる原因として一番可能性が高いのが膀胱炎です。女性は男性より尿道が短く、膣や肛門に近いためどうしても男性に比べてバイキンが入りやすいです。この尿道から大腸菌などのバイキンが入り込み、膀胱で炎症を起こします。これが膀胱炎です。
トイレを我慢しすぎても膀胱炎になります。これは悪い菌を排出しようとしているのにトイレを我慢することで、逆に悪い菌を膀胱内に留めさせてしまっているため。
膀胱炎になると残尿感の他に「何度もトイレに行く(頻尿)」「尿に血が混じる」「排尿の終わりごろに痛みがある」などの症状が出ます。
女性の残尿感の原因「膀胱炎」の対処法
膀胱炎は病院に行って尿を調べれば簡単にわかります。抗菌薬を服用すればスッキリと治りますので早めに病院に行きましょう。でも治ったからといって薬を途中でやめてはダメですよ。また菌が復活して薬が効きにくくなってしまいますから、出された分は必ず飲み切らないといけません。
あと大事なのが水分。残尿感がつらくて水分を控えている人も多いと思いますが、膀胱炎と診断されたらなるべく水分摂取をするべき。これは膀胱内にいる悪い菌を少しでも早く体内から洗い流すためです。
最近よく聞く女性の残尿感の原因「過活動膀胱」
過活動膀胱(かかつどうぼうこう)という言葉を最近よく聞いたり目にしたりしますね。テレビで啓発CMが流れていますし、ポスターが貼ってある病院も多いです。
過活動膀胱というのは何らかの原因によって膀胱が活発に活動をしてしまい、急激に強い尿意を感じる状態です。加齢によって骨盤底筋が弱まったり、「トイレに行きたくなったらどうしよう」という予測不安を持ったりで膀胱が緊張してしまうのが原因です。
実際膀胱には尿がたまってない状態でも残尿感を感じ、「トイレのことが気になって仕方ない」なんて状態になってしまいます。他に頻尿や尿漏れ、夜中トイレに起きる(夜間頻尿)などの症状が起きます。
女性の残尿感の原因「過活動膀胱」の対処法
過活動膀胱は内服薬もあり、病院を受診すると症状に合わせて強め弱めなど調整して薬を出してくれます。しかし薬だけではスッキリ治りません。膀胱が緊張状態から解放され正しい機能を取り戻せるように自己トレーニングが必要です。
その方法は「なるべくトイレを我慢してみる」こと。膀胱炎とは逆ですね。残尿感があるとすぐトイレに行ってこの気持ち悪さを何とかしたい!と思いますが、ここは少し我慢してみましょう。トイレの間隔を少しずつ広げることによって膀胱が常に緊張状態にある、という困った状態が改善されてきます。緊張状態がなくなってくると残尿感も感じにくくなります。
ひどい便秘が女性の残尿感の原因に「骨盤臓器脱」
女性の大切な子宮を守る骨盤。この骨盤の中には子宮だけでなく膣・直腸・膀胱などもあります。通常骨盤内にあるはずのこれら臓器が骨盤から下がり、産道内に押し出されてくる状態を「骨盤臓器(性器)脱」といいます。
膀胱が下がる「膀胱瘤(りゅう)」になると、尿がたまった膀胱が挟まれて常に押されている状態。初期症状としてクシャミなどちょっとの刺激で尿漏れをします。そして症状が悪化していくと今度は逆に尿が出にくくなってしまうのですが、これにより残尿感が出ます。この場合は気のせいではなく、本当に膀胱に尿があるのに上手く出せなくて「残尿」しています。
そんな怖い骨盤臓器脱ですが、原因は意外と身近なところにあるのです。加齢や肥満や出産、長時間の立ち仕事、そして強く力む状態が続く便秘や慢性的な咳でも起こります。
女性の残尿感の原因「骨盤臓器脱」の対処法
症状が軽度の場合は骨盤底筋体操をして、臓器を支えられるように訓練します。肛門と膣をキュッと締める・ゆるめる、を繰り返して筋力をつけることで排尿をコントロールできるようにするのです。症状が重度だと体操では改善できないので手術になります。
最後に
いかがでしたか?女性が残尿感を感じる原因は色々ありますがこれらの病気の割合がかなり高いです。残尿感で苦しんでいるかたはこれを参考に病院を受診することを考えてみてくださいね。
女性特有の残尿感の3つの原因とその対処法
①女性によくある病気[膀胱炎]
②膀胱炎の対処法
③最近よく聞く[過活動膀胱]
④過活動膀胱の対処法
⑤ひどい便秘が原因にもなる[骨盤臓器脱]
⑥骨盤臓器脱の対処法