頻尿は何らかの病気の症状です。早く診断・治療するためにも「もしかして私も頻尿?」と疑問に思った人が判断しやすい6つの条件をご紹介します。
頻尿とは?当てはまれば頻尿かもしれない6の条件
頻尿とは①1日に8回以上トイレに行く
頻尿の一番の見極めポイントは「1日に何回トイレに行くか」です。普段1日何回トイレに行くかなんてカウントしないと思いますが、一度数えてみてください。「私は1日2回しかトイレに行かない」なんて、頻尿の人にとっては驚愕してしまうくらいトイレが遠い人もいますが、大体の人は1日4回~6回くらいトイレに行きます。
睡眠が8時間として残りの16時間で割れば、3時間~4時間おきにトイレに行く計算ですね。これくらいなら長距離バスも映画館も怖くないですから日常生活に何の問題もないでしょう。
もし1日に8回以上トイレに行くようなら頻尿です。2時間に一度はトイレに行っている計算なので、これでは日常生活に支障をきたします。長距離バスに乗ると次の休憩ポイントまで気が気ではありませんし、映画館ならエンドロールの頃には頭の中はトイレでいっぱいかもしれません。
頻尿とは②自分で多いと感じる
頻尿の定義は1日8回以上トイレに行くことですが、では7回行く人は頻尿とは言えないのでしょうか?
日本泌尿器学会では「1日8回より少なくてもトイレの回数が多いと自分で思うなら頻尿」と定義しています。日常生活に支障をきたしていると自覚する症状だからですね。反対に7回で特に不自由を感じていないなら頻尿とは言いません。
頻尿とは③すぐトイレに行きたくなる
「さっき行ったばかりなのにもうトイレに行きたい」と、トイレから出たばかりでも尿意を感じてトイレを出たり入ったり…こんなひどい頻尿だと1日のトイレの回数が10回20回を超えてしまうことも珍しくありません。
これは残尿感があるため。全部出し切ったのに「まだある気がする」と感じる状態を残尿感といいます。残尿感をスッキリと解消させたくて何度もトイレに行きますが、本当に尿が残っているわけではないのでどれだけトイレに行ってもスッキリしないです。
頻尿とは④夜中トイレに起きる
睡眠中にトイレに起きてしまうことを「夜間頻尿」といいます。トイレ機能が未熟な赤ちゃんをのぞいて、通常は夜ぐっすり眠れるように抗利尿ホルモンが作用します。
昼間は3~4時間ごとにトイレに行く人も夜は8時間でも9時間でもトイレに行かなくて大丈夫なのはこのホルモンのおかげ。それなのに夜トイレに起きてしまうということは、1回(50歳以上なら2回)でも「頻尿」です。
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⇒夜間頻尿の5つの原因とその改善対策
頻尿とは⑤多尿になっている
尿が多いことを「多尿」と言います。頻尿と多尿は同じことだと感じるかもしれませんが少し違います。多尿と頻尿が同じなのではなく、多尿により頻尿を引き起こすのです。
健康な成人の尿量はだいたい1日1000ml~2000mlですが、多尿の人は1日3000ml以上尿を作ります。こんなに尿がジャンジャン作られてはトイレが忙しくなっても不思議ではありません。
多尿になる原因としては糖尿病や慢性腎不全などの疾患がありますが、一番多いのは「尿崩症」。尿崩症は体内の水分保持機能を低下させます。口の渇きを感じやすく特に冷たい飲み物を飲みたくなるので、飲んだ分だけ尿が多く作られトイレが近くなります。
頻尿とは⑥膀胱容量が少ない
膀胱の容量が生まれつき人より少ないという人もいます。そういう人はもともとの入れ物の大きさが小さいので当然ためられる尿量が少なくなり、ためておけないぶんトイレに多く行くことになります。
個人差ももちろんありますが、一般的に7歳児なら200ml程度、成人なら250~600mlほどためることができるはず。体重1キロあたり7ml以上が正常と言われています。ちなみにこれは昼間の場合で、就寝中は膀胱がゆるんでこれの1.5倍の尿量をためることができます。
膀胱容量がどれくらいあるかは泌尿器科で調べることができます。カテーテルを尿道口から入れて膀胱に直接生理食塩水を注入し、エコーで膀胱のふくらみを確認するのです。「膀胱容量がどれくらいあるか知りたい」と気軽に受ける検査ではなく、過活動膀胱などの検査・治療などで用いられるものです。
最後に
いかがでしたか?頻尿は様々な病気のサインです。ここを読んで「私は頻尿だ」と自覚した人は早めに泌尿器科を受診しましょう。
頻尿とは?当てはまれば頻尿かもしれない6の条件
①1日に8回以上トイレに行く
②自分で多いと感じる
③すぐトイレに行きたくなる
④夜中トイレに起きる
⑤多尿になっている
⑥膀胱容量が少ない